2012年1月30日月曜日

「働くため」に働くことをやめるためには。「小さな会社のブランド戦略」を読んで

昨年起きた東日本大震災を期に、人々の働くことへの意識が変わってきたと言われています。
自分のやりたい事を犠牲にしてまで働くことに意味はあるのか?「生きる」ことの目的は何か?
そんな自問自答を繰り返すことが増えました。

好きなことと、得意なことを仕事にするためにはどうしたらいいのか。この本はその答えの一つになるかもしれません。

見た目のかっこよさだけがブランド力ではない

ロゴや印刷物だけ凝ったデザインにしてもブランド力は上がりません。
インターネットの時代、少し調べるだけでその会社の概要ぐらいは分かってしまいます。
デザインだけがブランド戦略ではありません。

大きな夢を胸を張ってやりぬくこと。それは見た目のかっこよさではなく、生き方自身がかっこいいのです。
その本当のかっこよさがブランド力なのです。


一体感が生まれる瞬間を体験したい

2章「小さいブランド」と呼ばれる会社たち で紹介されている、「ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパン」は真っ暗闇の空間を提供するお仕事をされています。
それは、視覚障害者の置かれている状況を健常者が体験できるイベントを運営することです。

このイベントに関わっている人々はそれだけでハッピーだと感じているそうです。

ブランドが確立するとお客様はファンに変わります。

自分も一度、このイベントに参加し、「暗闇の中の対話」を体験してみたくなりました。

儲かるは二の次、喜んでもらうこと・楽しむこと

仕事は「喜んでもらうこと」。成功は「思い描いた理想を手に入れること」。
これは「生き方」と「働き方」が一致している人の発想だそうです。

人に感動を与え、チャーミングでミッションを軸に生活する。それを成功といえるレベルまでモチベーションを保ったまま継続する。

何よりまずは、「自分がとことん楽しむ」という姿勢が大事だそうです。


まとめ

たとえ今は会社を持たなくても、働くために働くことをやめ、自分のやりたい事、得意なことに軸足を移して働きましょう。

こっちの方が楽しそうと思ってもらえるような働き方を目指して。


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量が質を決める。「情報は1冊のノートにまとめなさい」を読んで

この本に書かれていることは情報管理の手法だけではありません。アイデアをいかに生み出すか、小さなひらめきを具体的なものにしていくかということが書かれています。

スマホやタブレットが注目を集める中、著者は手書きのノートを情報管理の中心にして、その補佐的な役割としてデジタルデータを活用するべきだと書いています。


安心して忘れるために

1冊のノートにあらゆる情報を一元化することによって「あれってどこに書いたっけ?」や「あれを書いたメモはどこだ?」といったことがなくなります。
「必ずこのノートに情報はある。」といった安心感は忘れることへの不安を取り除きます。このことは頭を空にする、GTDの考え方と同じです。
頭脳はメモリ(記録)ではなくシンク(思考)することが本来の仕事なのです。


ノートは贅沢に使う

とにかく何でも記録することです。それをストレスなく行うにはノートを贅沢に使うことです。
これぐらいのことは書かなくてもいい、他のノートでまとめておこう、ノートではなくメモ書きでいい。このようなことでもすべて1冊のノートにまとめることが重要なのです。
何でも書いていくとすぐにノートはイッパイになってしまいます。著者の100円ノートをすすめる理由がここにあります。躊躇なくかけるコスパが重要なのです。

書くだけではなく貼ることもひとつの方法だとして紹介してあります。自分なりのカスタマイズが続けていけるかの岐路になるということです。
1年1冊のノートではないので1年のうちに何度も代替わりが起こります。共通の情報(大切な連絡先など)は貼ってはがせる糊などを使い新しいノートに簡単に移行できるような工夫も必要です。

ノートの新調は気分転換にもなりとても気分がいいものだと思います。


時間管理術も一元化

スケジュール管理は個人差があるのでオリジナルの方法を見つけなければなりません。分単位の人もいれば日単位の人もいます。重要なのはその管理を同じ1冊のノートで行うということです。

行動記録は日記とは少し違った意味合いのものですがそれも一元化しておきましょう。


ネタはタグをつけて違いを明確にしておく

気付きやアイデアの元になりそうなメモ、それらの「ネタ」にはタグをつけておきます。
後から見直したとき、カテゴライズしてあると有効で再利用しやすいからです。
ネタはいつどこにあるのかわかりません。これはメモを取ることが習慣となれば、いいネタを集めることができます。
とにかくいつでもメモできる環境にしておくようにしましょう。


ただのメモを宝にかえる

宝くじは買わないと当たらないのと同じように、いいアイデアも材料がなければ生まれません。
つまり、ノートに書かれた情報が材料となり、後にすばらしいアイデアを生み、宝となります。
インプットしなければアウトプットはできません。
どれだけアウトプットできるかはインプットの量によってきまります。
インプットされた情報は材料、アイデアは料理人。この2つがアウトプットの料理をつくります。
平凡な材料でも料理人の腕がよければ、すばらしい料理に仕上がります。すばらしい材料なら料理などしなくても美味しく食べれるでしょう。

宝を生むようなアイデアは滅多に出てきません。
練りに練ったアイデアをひとつ考えるよりは、極普通のアイデアを10や20考えたほうが後に有効になります。
質より量。それが重要なのだそうです。

いいアイデアはレスポンス脳の方が有効です。何かの刺激を受けそれに反応する考え方です。
刺激をたくさん受けることでレスポンス脳に変化していきます。刺激は新しいことや人との会話の中から生まれます。

ブレストもまた、いいアイデアを生む有効な方法です。しかし、注意が必要で、ブレストする時は絶対に考え方を否定してはいけません。

いいアイデアは簡単には出てきません。
たくさんのインプットを元に搾り出すようにじたばたして、そうすることで初めて、神が降りてきてアイデアが生まれるのだそうです。


まとめ

情報を一元管理することの重要性を理解することができ、これからの情報管理の方向性を確認することができました。

100円ノートではありませんが、モレスキンで情報の一元化を始めている自分にとってはとても参考になる本でした。

「情報管理はコストをかけずにシンプルに」することが一番なのだそうです。

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2012年1月11日水曜日

水のように澄んだ心で

かれこれ2ヶ月かかってようやく読了。でも、これから実践していくほうがもっと大変かもしれない。

徹底的に収集すると心はすっきりする

何か心に引っかかっているものがあるなら、それをすべて書き出すことがGTDの第一歩。
書き出すだけで何も問題は解決していないような気がするけど、心の引っ掛かりをすべて目にすることで逆に安心できるのだという。
なるほど、そうかもしれない。
トンネルの先が見えず、暗闇がいつまでも続いているときと、遥か彼方ではあるが、明かりが見えている時とは不安の度合いは全然ちがう。

まずは、すべてを書き出してみよう。

良い結果を想像しながら次に何をすればいいのかを考える

書き出したすべての事柄に、具体的な次にとる行動を考える。
それが直ぐできるものであるなら、今すぐやろう。
気になる事が「机の上を片付ける。」であるなら、今すぐできることが多いと思う。散らかったものを元の場所に収め、雑巾で拭く、これでおしまい。
しかし、大きな机の上に大量の本や書類が乗っていたのであれば、次にとる行動は違ってくる。「本を机からおろす。」が次に取るべき行動になるだろう。
そうなると、ワンアクションだけでは処理できない。こういったものはプロジェクトとして、次に取るべき行動をいくつも設定する。
「本を机からおろす。」、「本を本棚にしまう。」「書類の分別をする。」「不要な書類、本を縛る。」「雑巾で拭く。」これが「机を片付けるプロジェクト」の全体像である。
このようにプロジェクトを処理していくときに結果を想像して次の行動を決めていく。最終的なイメージは「綺麗な机でコーヒーを飲みながら本を読む。」であるなら、それに向けて最良の結果が出るようにする。

ストレスは自分との約束を守れていないことが原因

不安やストレスは「やらなければいけないことをやっていない。」ときに起こる。
「机の上は綺麗に片付けておくもの。」このことが当たり前のこととして思えていて、しかしそれができていない時、机を見るたびにストレスがたまってしまう。
「机の上は汚くてもOK。」そう思えるのであればストレスは感じないし、片付ける必要性もない気がしてくる。
この例は極端だが、「机の上を綺麗に保つ。」という自分との約束を守れないためのストレスは、このGTDで「机を片付けるプロジェクト」を設定して、次に取るべき行動を決めることでなくなる。
「やらないといけないことは分かっているけど今はできない。」と自分に約束するからだ。

とにかく収集から始めてみる

収集と処理だけでも2日ぐらいかかるそうだ。
目標としては正月休みの間にやりたかったのだけどできなかったので、今度の週末あたりやってみようと思う。


次の行動まで決めた後はまたの機会に。

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2012年1月5日木曜日

バランスと回転

物事の「動き」にはバランスと回転という大変重要な要素があります。
うまく物事を運ぶためには、この二つの要素は外せません。

安定して回転させるために必要なこと




子どもの頃、独楽を回してよく遊びました。
うまく回転させるためにはバランスの取れた独楽にする必要があります。軸がずれていたり、縁が凹んだりしていると安定して回ってくれません。
世の中でも同じようなことがいえます。
物事を、うまく回転させるにはバランスが取れてなくては回りません。あるところに集中していたりすると流れが滞り回転が鈍ります。循環型社会が重要といわれていますがどこかバランスが崩れていてうまく回っているようには見えません。

仕事でも同じです。
うまく回転させるためにはいろいろな要素をバランスよく配置することが重要となります。
ある部署だけに仕事が偏ってしまうと流れは詰まってしまいますし、不必要な事業部は回転の速度を遅くしてしまいます。

高速で回転させるためには均等に配置されたウエイトが同じ仕事を分散させてあげることが必要となります。

バランスを取るために重要なこと

 
路地点景


自転車を補助輪なしで乗る練習をしていた時のことを思い出してください。スピードがあるときに転ぶことはあまりなく、大抵はよろよろと速度が落ちてきた後でハンドルを取られて転んでしまいます。
転ばないようにするにはペダルを踏み続けなければなりません。バランスを保つためには車輪を回転させなくてはいけないのです。

仕事では物事がうまくいかなくなると一旦ストップさせて、原因を考えることをすることがあります。
しかし、うまく回っていない原因は実は回転不足なことがよくあります。あと少しうまく回るようにしただけでとてもスムーズに進むようになり、これといった原因はまったくないことがあります。

まとめ

バランスよく回転させることはとても重要です。
安定して高速に回転させるにはバランスが必要で、バランスを取りたければ回転させることが重要。
そんなことを、脱水機能がいかれた洗濯機を見ながら考えていました。

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2012年1月2日月曜日

「四戒」を制して強い心を作る

剣道には「四戒」という言葉があります。これは、剣道の修行中に起こしてはならない戒めの心の動きです。

古くから伝わる日本伝統の武道の流れを組む剣道には、技を磨く稽古と同じように精神を向上させることの大切さを説いています。

この考え方は、剣道には関係ない方でもとても参考になります。


「驚」:驚いた時はまず落ち着いて



「驚」(驚く)
相手の動きに驚いてしまって一瞬の判断がおくれる。


予期しない事が突然起きると驚いてしまい、普段ならしないような判断をしてしまいます。「オレオレ詐欺」は正しくこの心の動きを利用したものです。

不測の事態を予め想定して、驚いた時にはまず落ち着き、平静を取り戻しましょう。


「懼」:恐れがあるなら徹底調査



「懼」(恐れる)
体格が良い相手に立ち向かったときに、その見た目だけで萎縮してしまう。


今まで経験のない事や、新たな分野に取り組む時など、不安やプレッシャーに押し潰されてしまいそうになります。

恐れは情報不足からきます。相手のことをよく観察し、正確な情報を分析することで、恐れは消えてなくなります。


「疑」:疑うことなく確信を持って



「疑」(疑う)
相手の動きや心の読みに自信がなく、決断がつかない。

判断基準が曖昧だったり、今までに経験したことのないことを対処する時に「これは正しいのだろうか?」と疑ってしまいます。

誰かに相談した時など相手のことを疑わず信用しないと、せっかくのアドバイスも意味を持ちません。
ブラシーボ効果のように、ただのビタミン剤でも信じて飲むことでなる程度の効果がある場合があるように、信じることの重要さを認識しましょう。


「惑」:迷ったときほど自分自身を信じよう



「惑」(惑う)
不正確なことに惑わせられ、また自信をなくし判断力が鈍る。


自身の信念に迷いが生じると自身をもって行動することができなくなります。先ほどの「疑」と同様、まずは信じて行動しましょう。

すべての答えが正解なんてことはありません。「間違えたらやり直せばいい。」それぐらいの気持ちで思い切って行動しましょう。


修行の道は長くて厳しい


人の心の中にはいつも不安や迷いがあります。そういったものに打ち勝つ力を持った者が勝敗を制します。それが剣道の教えです。体格やテクニックだけでは上段者になれない。精神力も伴って初めて人の上に立てるようになるのです。この厳しさは一度刀を抜いたら後戻りできない武士道の厳しさから来るものだと思います。

今はそういった厳しさとは違いますが同じようにテクニックだけでは乗り越えれない事態が多い時代です。

常に、強い精神力を磨く努力をしなければなりません。とても長くて厳しい道です。


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2012年1月1日日曜日

2012年の初頭に

あけましておめでとうございます。
いろいろなことが起こった2011年が過ぎ、新しい年の始まりです。
初頭にあたり、今の頭の中を記録します。

2011年を振り返る

2011年の漢字は「絆」

ただ自分の中では「壊」という印象です。

言うまでもなく3月におきた大震災。今まで想定していた震度と規模を大きく超えたものになり、被害は経験したことのないものになりました。
それまでの生活、築き上げてきた大切な財産、そして命までも破壊してしまいました。

その後に起こった原発問題。安心安全神話が崩壊しました。

電力不足による計画停電。あまりの無計画さに、社会全体の構造やシステムが崩壊しました。

自分は地震による被害は、まったくといっていいくらいありません。しかし、これまでの生活や将来への展望、幸せや生きることの意味など、これまで考えたことがないような事を考えました。

その結果、「絆」のもつ意味を、大切さを実感することができ、新しい価値観に気が付きました。

そんな一年だったと感じます。

2012年をどう生きるか

「ただ、ひたすら実直に生きる。」が今年の方針です。

有名な熱血漫画家十訓を参考に2012十訓でやっていこうと思います。

  • 命がけでやれ
  • 限界を超えてやれ
  • 夢を持ってやれ
  • 自分自身をもってやれ
  • 思い切ってやれ
  • 食うのを忘れてやれ
  • よく寝てやれ
  • 明日もやれ
  • 最後までやれ
  • 失敗したら新しいことをやれ

躊躇せずにとにかくやる一年にしていくと、年が明けて間もないこの時間に記す。


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