2012年1月30日月曜日

量が質を決める。「情報は1冊のノートにまとめなさい」を読んで

この本に書かれていることは情報管理の手法だけではありません。アイデアをいかに生み出すか、小さなひらめきを具体的なものにしていくかということが書かれています。

スマホやタブレットが注目を集める中、著者は手書きのノートを情報管理の中心にして、その補佐的な役割としてデジタルデータを活用するべきだと書いています。


安心して忘れるために

1冊のノートにあらゆる情報を一元化することによって「あれってどこに書いたっけ?」や「あれを書いたメモはどこだ?」といったことがなくなります。
「必ずこのノートに情報はある。」といった安心感は忘れることへの不安を取り除きます。このことは頭を空にする、GTDの考え方と同じです。
頭脳はメモリ(記録)ではなくシンク(思考)することが本来の仕事なのです。


ノートは贅沢に使う

とにかく何でも記録することです。それをストレスなく行うにはノートを贅沢に使うことです。
これぐらいのことは書かなくてもいい、他のノートでまとめておこう、ノートではなくメモ書きでいい。このようなことでもすべて1冊のノートにまとめることが重要なのです。
何でも書いていくとすぐにノートはイッパイになってしまいます。著者の100円ノートをすすめる理由がここにあります。躊躇なくかけるコスパが重要なのです。

書くだけではなく貼ることもひとつの方法だとして紹介してあります。自分なりのカスタマイズが続けていけるかの岐路になるということです。
1年1冊のノートではないので1年のうちに何度も代替わりが起こります。共通の情報(大切な連絡先など)は貼ってはがせる糊などを使い新しいノートに簡単に移行できるような工夫も必要です。

ノートの新調は気分転換にもなりとても気分がいいものだと思います。


時間管理術も一元化

スケジュール管理は個人差があるのでオリジナルの方法を見つけなければなりません。分単位の人もいれば日単位の人もいます。重要なのはその管理を同じ1冊のノートで行うということです。

行動記録は日記とは少し違った意味合いのものですがそれも一元化しておきましょう。


ネタはタグをつけて違いを明確にしておく

気付きやアイデアの元になりそうなメモ、それらの「ネタ」にはタグをつけておきます。
後から見直したとき、カテゴライズしてあると有効で再利用しやすいからです。
ネタはいつどこにあるのかわかりません。これはメモを取ることが習慣となれば、いいネタを集めることができます。
とにかくいつでもメモできる環境にしておくようにしましょう。


ただのメモを宝にかえる

宝くじは買わないと当たらないのと同じように、いいアイデアも材料がなければ生まれません。
つまり、ノートに書かれた情報が材料となり、後にすばらしいアイデアを生み、宝となります。
インプットしなければアウトプットはできません。
どれだけアウトプットできるかはインプットの量によってきまります。
インプットされた情報は材料、アイデアは料理人。この2つがアウトプットの料理をつくります。
平凡な材料でも料理人の腕がよければ、すばらしい料理に仕上がります。すばらしい材料なら料理などしなくても美味しく食べれるでしょう。

宝を生むようなアイデアは滅多に出てきません。
練りに練ったアイデアをひとつ考えるよりは、極普通のアイデアを10や20考えたほうが後に有効になります。
質より量。それが重要なのだそうです。

いいアイデアはレスポンス脳の方が有効です。何かの刺激を受けそれに反応する考え方です。
刺激をたくさん受けることでレスポンス脳に変化していきます。刺激は新しいことや人との会話の中から生まれます。

ブレストもまた、いいアイデアを生む有効な方法です。しかし、注意が必要で、ブレストする時は絶対に考え方を否定してはいけません。

いいアイデアは簡単には出てきません。
たくさんのインプットを元に搾り出すようにじたばたして、そうすることで初めて、神が降りてきてアイデアが生まれるのだそうです。


まとめ

情報を一元管理することの重要性を理解することができ、これからの情報管理の方向性を確認することができました。

100円ノートではありませんが、モレスキンで情報の一元化を始めている自分にとってはとても参考になる本でした。

「情報管理はコストをかけずにシンプルに」することが一番なのだそうです。

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