2011年10月31日月曜日

拘らないことに拘ってきた拘りをなくすことを考える

あまり物事に拘っているとそのコダワリの理由が意味を持たなくなったとき、すべての事柄が無意味に見えてくる。そんな経験からモノゴトへのコダワリを極力もたないように行動してきました。しかしそのこと自身がコダワリであり、またあの時と同じコダワル理由が無意味に見えてきました。

コダワリを持つ職人のおばさん

「コダワリ」を考えるとき、街の洋菓子屋さん「風月堂」のおばさんのことを思い出します。「風月堂」は名古屋の六番町と日比野の間にあった地元で人気のケーキ屋さんです。週末には行列が少しだけできる繁盛店、夕方の早い時間にすべて売り切っていました。

そこにいたおばさんのコダワリはシュークリームの味ではなく、ショートケーキのイチゴでもありません。おばざんのコダワリ、それは箱にキッチリ、ケーキを詰めること。

そのためにはお客さんが買いたいシュークリームも、「納まらんでひとつ減らしゃぁ」と譲りません。収まりが悪いからという理由でモンブランをスペーサー代わりにおまけしてもらったこともあります。「美味しいケーキを食べてもらいたい」ではなく「箱にキッチリ収めて崩れにくくする」それがおばさんのコダワリです。

コダワリの理由が明らかに

初めてのお客さんはそんなおばさんの態度が素直に理解できません。「何言ってんの、大きな箱に変えればいいじゃん」と言い返すお客さんを何度も目撃しています。並んでまで買ったのに一つ減らせとは何事だといったところでしょう。分かります。

無愛想な箱詰め職人はしぶしぶ箱を変えて、隙間だらけの箱に無表情でリボンを掛け賞味期限のシールを貼りお会計を済ませます。

コダワリの人、箱詰め職人に素直に従って詰めたケーキの箱を助手席に乗せ、彼女の元へ急ぎます。浮かれ気分のせいかヒヤッとした瞬間、急ブレーキ。シートベルトをしていないケーキは座席の足元へダイブ。せっかくのお土産が台無しか、と思った次の瞬間!! 信じられない光景が!!


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信じられない光景が!! なんとイチゴの位置がずれただけのケーキたちが箱の中で行儀よく整列していました。

職人であるおばさんは箱を落としたりすることが少なくないことを知っていたのでしょう。なので多少のことでは崩れない箱詰めの極意を使い「おぬし達のような下っ端の人間には分かるまい」といわば憮然のした態度で日々の仕事をこなしていたのでしょう。勝手な想像ですが間違えないと確信しています。

なんだかいつもと違う物語風の文体で変な感じなので まとめ 

初めての物語風エントリーに書いてる本人自身戸惑いを覚えているのでこの辺でまとめる。

コダワリを他人に分かってもらう、共感を得る。そんなことにこそ意味はないのでしょう。自分が考える仕事の意味に忠実に従うことがコダワリであるのではないかと思います。考え方を強く行動に移す。例えそのことを誰も理解してくれなくても。

自分の意見を持ち、それを強く行動に移すときにこだわりが出るのだろう、

拘らずにはいられないのであれば拘ったらいいじゃん、というチビクロサンボ的お話でした。

ちなみにこの「風月堂」は江川線の道路拡張工事でこの場所からなくなりました。